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ガソリン・電気・ガス補助が続くほど、消費税減税が遠のく理由

イラン情勢悪化でガソリン代の高騰が気になりますよね。

政府は19日からガソリン価格を全国平均で170円程度に抑えるため、補助金制度を再開すると表明しましたが、円安も進んでおり、家計としてはガソリン代以外にも値上げが気になるところでしょう。

 

原油価格高騰は、数カ月遅れて電気代やガス代にも影響が出てきます。

そして、その時期はちょうど今年の夏頃になります。

ホルムズ海峡封鎖の影響は大きく、長引きそうなので今年の夏も苦しい夏になりそうです。

暑い盛りということで、ここでも電気代やガス代の補助金が期待されるところです。

 

 

消費税減税が期待されるが・・・。

 

そこで期待されるのが、「消費税減税」です。

主婦の方など「まだかまだか。」と待っているのではないでしょうか?

 

ですが、減税にも補助金にも財源が必要です。

日本はすでに日本銀行が5割を引き受けており、10年を超える超長期債の主要な買い手である生命保険会社も購入は慎重で現在は買い控えている状況です。

 

つまり、国債をいくら発行しても買い手がおらず、財源が作れない状態であり、長期金利が上がりやすくなることで、住宅ローン(固定型)や企業などの借入金の金利も上がってしまう事につながります。

これは景気が悪くなっても“金融緩和”ができない、ということにもなり、10年前の日本とは政策がかなり難しくなっている、ということです。

 

 

日本銀行が無理に国債を買うとどうなるか?

 

では、財源が足りないなら日本銀行がもっと国債を買えばいいのでは?と思う方もいるかもしれません。

すでに国債の5割を購入している日本銀行がさらに購入を引き受けるとなると、市場のバランスが崩れてしまい、海外投資勢は日本に財政不安を感じ、日本国債を売り出します。

つまり、ここでも債券価格は下がり、長期金利が上昇する、ということが起こりやすくなります。

円の信用もさらに落ち、円安は進行してさらなる物価高を引き起こす危険性もあります。

 

 

消費税減税が簡単にできない理由

 

「消費税を下げてほしい」という声が強まっていますが、実際には減税の動きは見えてきません。

その背景のひとつに、消費税を下げると日本国債の信用力(=格付け)に影響が出る可能性がある という問題があります。

実際、約10年前の201412月、米国の格付け会社ムーディーズは、日本国債の格付けを「Aa3」から「A1」へと1段階引き下げました。

さらに2015年には、他の2社(S&P、フィッチ)も日本国債を1段階引き下げています。

このときの主な理由は、予定されていた消費税10%への増税が延期され、日本の財政に対する信頼が揺らいだことでした。

「税収が予定より入らない 国の借金を返す力が弱まる」と判断されたわけです。

その結果、日本国債の格付けはG7(主要先進7カ国)の中でイタリアに次いで低い水準になってしまいました。

国債の格付けが下がると、日本企業の格付けにも影響したり、円安の進行や国債金利の上昇につながる恐れがあります。

こうした理由から、消費税の減税は、国債のさらなる格下げにつながるリスクがあるため、政府としても簡単には決断できないテーマなのです。

 

 

ガソリン・電気・ガス、補助金はいくらかかるのか?

 

それでは、いったい補助金にいくらくらいかかるのか、を見てみましょう。

読売新聞によると、政府が20221月から開始したガソリン補助金は、延長を繰り返し 予算総額6.4兆円 に達しました。

これは 防衛費(6.8兆円)に匹敵する規模 で、単年度ではなく複数年度にまたがるとはいえ、極めて大きな財政負担です。

経済産業省の資料によると、電気・ガス料金負担軽減支援事業(20242025年度の補正)は5,296億円(約0.53兆円) の予算が計上されています。

これは「冬の3ヶ月だけ」の補助でこの規模です。

これに今夏の電気代補助を追加すると、年間1兆円前後 になる可能性があります。

つまり、今年度分で計算すると、

- ガソリン補助:34兆円(過去実績)

- 電気・ガス補助:0.7兆円〜1兆円

となり、合わせて45兆円規模の財政負担になります。

つまり、原油高による補助金だけで、食料品の消費税減税分(約45兆円)が相殺されてしまったと言えるのです。

 

 

ボーナスに影響も?

 

苦しいのは家計だけではなく、企業経営も同じです。

物流コストのアップ、原材料費や光熱費の値上げ。

そして、金利上昇で借り入れコストも上がっています。

消費者はさらなる買い控えとなるでしょうからそう簡単に売り上げを上げることも難しくなります。

企業側はコストを下げるため、ボーナスカットも考えられますし、早期退職募集も行うかもしれません。景気が悪化してくれば、倒産企業も増えてくるでしょう。

従業員側としては、物価高で家計の支出が増えて困るところ、肝心の収入も減ってしまうことにもなりかねません。

 

 

スタグフレーションの恐れ

 

今回の原油高は、生活は一向に楽にならないのに物価ばかり上がる、という状況をさらに強くさせる可能性があります。

そしてこういう状況を「スタグフレーション」といいます。

過去のスタグフレーションは、1970年代のオイルショックの時期で、すでに半世紀が過ぎており、現役世代はスタグフレーションを知りません。

つまり、「経験した事のない景気の悪さ」が日本を襲うかもしれません。

 

企業は人件費だけに目を向けるのではなく、DXや業務効率化など、ビジネスモデルそのものを見直す必要があります。

そしてそれは、従業員の協力なしには進みません。                                                

企業も従業員も時代の変化に積極的に対応し、日本全体が“経験したことのない景気局面”に備える必要があります。

 

 

政府の財源には限界がありますが、だからこそ、私たちは変動する金利や物価に左右されないよう、正しい知識を身につけることが唯一の防衛策になります。

そして今の物価上昇が、自分の住宅ローンや老後資金にどう影響するか。それを可視化してみることから始めませんか?

 

 

ガソリン代や電気代の仕組みは、知っているかどうかで家計の守り方が変わります。大切なご友人やご家族が夏に向けて困らないよう、ぜひこの記事をシェアして教えてあげてください。

 

 

ホームページでは、「イラン情勢の問題」のほかにも「2つの2029年問題」の特集サイトがありますので、是非ご覧ください。

 → こちらからどうぞ。

 

 

ファイナンシャルプランナー・IT講師

川淵ゆかり

厚生労働省 1級FP技能士

経済産業省 高度情報処理技術者

https://yukarik-fp.jimdofree.com/

                                                                                                   

 

 

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