2026年の不動産価格は「まだ上がっている」が。
2026年の日本の不動産価格は、「まだ上がっている」というニュースと、「さすがに高すぎて買えない」「地方はもう頭打ち」という声が、同時に聞こえてくる少し不思議な局面にあります。
国土交通省の地価公示によると、全国の地価は全用途・住宅地・商業地のいずれも4年連続で上昇し、その上昇幅も拡大しました。
三大都市圏では、都心部の住宅地や商業地を中心に、依然として強い上昇が続いています。一方で地方圏では、住宅地は下落幅が縮小しつつも下落が続き、商業地だけが
2年連続でわずかにプラスという、「エリアによる二極化」がはっきりしてきました。
上がり続ける場所と、すでに息切れの場所
都心のマンション価格は、共働き世帯でも手が届きにくい水準まで上がり、郊外や地方では「前ほどは売れなくなってきた」「価格を下げないと動かない」という声も聞かれます。
低金利と投資マネーが支えてきた不動産市場は、2026年の今、「まだ高いが、どこか息切れの気配も漂う」状態にあると言えるでしょう。
この先、長期金利の上昇と2029年ショックの前後に予想される景気減速が重なれば、不動産価格の「上がり続ける場所」と「持ちきれなくなる場所」の差は、さらに広がるかもしれません。今回は、そんな2026年時点の不動産価格の現状を整理しながら、「今のうちに何を見ておくべきか」を考えていきます。
ここに金利上昇と2029年ショックが重なると何が起きるか
2026年6月の日銀政策決定会合では、政策金利がマイナス金利解除から5回目の金利上昇となり、31年ぶりに1%に達することになりました。
政策金利は変動金利型ローンの指標となりますので、今回の上昇は今年の夏~秋にかけて変動金利型ローンの金利に影響してきます。
2026年内にはさらに金利上昇の予測もあり、多くの方の返済額の見直しが行われる2029年までにどこまで金利が上昇するか、がポイントになります。
フラット35の金利もすでに3%台となっていて、新築物件の購入や購入自体も諦めてしまう人も多くなるでしょう。
“新設住宅着工戸数”は、景気動向指数の先行指数として採用されているため、この数字が下がると“景気も悪化”していきます。
そして、返済額のアップにより、返済がままならなくなり住まいを手放す人たちも出てくることも考えられます。
2020年には、日本のローン完済平均年齢は73歳と報じられました。
特に収入が下降する50代~70代の人たちの“売却して住み替えを考えるケース”が増えてくる、と思われます。
人口減少により、“空き家問題”も年々大きくなっていますから、
「売れない。」「買えない。」といったケースも増えてきて、2029年以降は不動産不況の始まりの年となるかもしれません。
今、できること。
「ローンの返済が厳しくなりそうだ。」と感じている方は、まず、ローンの返済計画を見直すことをお勧めします。
・2029年の返済額とローン残高はいくら増えるか?
・定年退職後の返済額とローン残高はいくらになるか?
・支払総利息はいくら増えるか?
このほかに
・繰上返済ができれば、タイミング(時期と回数)と金額、その効果
・住まいの資産価値(売却価格)
なども調べておきましょう。
しっかりとシミュレーションして、ローンを“見える化”しておくことが第一歩です。
もし、売却する、と決定するのであれば、不動産価格が下がることもありますので、こちらも早めに計画しておく必要があります。
2026年の今は、まだ「高止まりの不動産」と向き合う時間的な余裕があります。
しかし、ここから金利と景気の波がじわじわ重なっていくと、2029年ショックの前後には「売りたいのに売れない」「買いたいのに買えない」という、今とはまったく違う不動産市場になっているかもしれません。
なお、今回の連載では書ききれない部分は、拙著でも詳しく解説しています。
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2029年の家計リスクについて詳しく説明しています。
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ファイナンシャルプランナー・IT講師
川淵ゆかり
厚生労働省 1級FP技能士
経済産業省 高度情報処理技術者
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