「2029年ショック」変動金利・不動産・国債リスクが交差する日本経済(連載:第3回)
消費税減税のウソ
「食料品の消費税を2年間だけ1%に下げます」。
そんなニュースを聞くと、家計の立場からは「少しでも安くなるなら助かる」と感じますよね。
ですが、減税はわずか2年。
2027年4月~2029年3月までの2年間の予定ですから、2029年の春からは私たちの家計に“食料品の消費税アップ”という負担が待ち構えることになります。
そして、レジのシステム改修については、税率「1%」への引き下げなら半年程度、「ゼロ」だと1年程度かかるという発表でした。
私は元SEですが、こういった改修期間を聞くと、頭の中で工数計算しちゃうんですよね。
半年だとどんなに低くても数百万円かかることになります。
しかも使用する期間はわずか2年・・・。
全国のシステム改修だといくらかかるのか、調べてみました。
システム改修にいくらかかるのか?
▼ 2019年の「軽減税率+ポイント還元」のとき
・レジ改修費:3,000億円以上
・中小企業向け補助金:1,000億円以上
・自治体システム改修:数百億円規模
※ 2019年の軽減税率導入時の公費は、政府資料・報道ベースで4,000〜5,000億円規模公費が使われました。
今回もし「消費税を2年間だけ下げる」なら、
・税率変更
・軽減税率との組み合わせ
・インボイスの再調整
・会計・給与・請求書システムへの波及調査と改修
が必要になるため、同等かそれ以上のコストがかかると見られています。
つまり、「税率を変えれば終わり」ではなく、税率が絡む全処理を洗い出してテストし直す必要があるため、改修よりも“検証”に時間と費用がかかります。
しかも日本は“失われた30年”で、レガシー(古い)システムを使い続けているところもまだまだ多いのが実情で、
・COBOLでの構築
・20年以上前の独自フレームワーク
・仕様書などのドキュメントなし
・担当者不在
が、改修工数を引き上げます。
こういったレガシーシステムの改修はAIでは対応できず、これも日本の大きな課題となっています。
誰が払うのか?
以上のように、消費税率をいじるたびに、レジや会計ソフト、受発注システムなどの改修が全国で必要になります。
今回も1,000億円以上の補助金が使われるようですが、原資は当然、税金と国債です。
自治体のシステム改修も税金が使われます。
企業側の改修は、補助金で足りない分は企業が負担するのでしょうが、企業側も負担した分は、やがては“価格アップ”という形で回収してきます。
たった2年の減税のために税金や国債を使い、システム改修に補助金をばらまき、あげくの果ては、“消費者に負担がブーメラン”で帰ってくる仕組みです。
あなたは、これでも消費税減税に期待しますか?
なぜ、誰も批判しないのか?
数千億円のコストがかかり、2年間の減税により数千億〜1兆円規模の税収を減らし、やがてはこれらの負担が国民にのしかかる・・・。
本当に国民のためになるのか、と考えますが、なぜ誰も批判しないのでしょうか。
2026年1月の衆院選の選挙では、多くの野党も消費税減税について公約を掲げていましたから、反対もできないのでしょう。
たしかに今は物価も高く、賃金も上がらず、生活に苦しさを感じている人も多いでしょうが、2年間の消費税減税でこれからの暮らしは豊かになるといえるでしょうか?
3年後以降の生活に、より苦しさしか見えない政策は考え直していただきたい、と思っています。
なお、2029年には、住宅ローンの返済額アップを迎えるご家庭も多いです。
住宅ローンについては、拙著でも詳しく解説しています。
「50代の家計が危ない!住宅ローンの教科書2026-2027年版」は、
6月24日(水曜日)までキャンペーン価格500円で販売しております。
2029年の家計リスクについても詳しく説明しています。
↓
ファイナンシャルプランナー・IT講師
川淵ゆかり
厚生労働省 1級FP技能士
経済産業省 高度情報処理技術者
https://yukarik-fp.jimdofree.com/
#消費税減税 #物価高 #円安 #2029年問題 #財政問題

コメントをお書きください